DMAIC ステップ5 Control(管理)

いよいよDMAICの最終ステップ Improve(管理)です。

上の4ステップで様々なデータを観測し、改善のための道筋がついたかと思います。

ですが、ここで一安心しては、オペレーションしているうちに後戻りしてしまう可能性があります。ですので、最終ステップでは以下の事柄を実行します。

 

・プロセス安定化

・能力の継続的検討

・管理のシステム化

 

プロセス安定化

Xバーチャートなどを活用して、改良したプロセスをモニタリングします。数値で定義した指標が想定した範囲内におさまっているのか?逸脱している場合、どうするのかを決めておきます。

 

能力の継続的検討

改良したシステムが後戻りしないように管理します。一番大切なデータとしては工程能力指数をモニタリングします。また、人の作業手順を作業手順書で規定します。また、プロセスに設備がある場合、設備の管理標準を定めるなどの方法も有効です。

 

管理のシステム化

歯止めの最終として、管理をシステム化します。先に作成したバリューストリームマップは手順を定めたマップですが、これに管理という見方でマップを作成し、管理していきます。

 

これでDMAICのプロジェクトが完結しました。

 

DMAICの5ステップについて解説しました。実際は、膨大な作業量になりますが、このブログではおおまかな流れをご紹介しました。

 

 

DMAIC:ステップ4 Improve(改良)

DMAICのステップ4Improve(改良)のご説明をします。ここでは4段階の作業を行います。

・ステップ3までの成果物のレビュー

・改良された業務フローの設計

・新しい業務フローへの移行計画立案書を作成する

・移行計画を実施する

 

では、順を追ってご説明します。

 

ステップ3までの成果物のレビュー

これまでに作成したアウトプットをレビューします。定義段階で作成した問題定義書を確認します。プロジェクト定義と目標を再確認しましょう。

ここで、バリュープロセスマップを再確認し、マップの中でどこにムダがあるのかを再確認し、そのムダを省くということが上記の問題定義書に書かれていることと論理意的に齟齬がないかを確認します。

次に測定段階で定義したCTQ(Critical to Customer)と最も重要な品質特性を一定の間隔で計測し、その達成度合いを確認します。

次に分析段階で作成したなぜなぜ分析の結果から課題の根本原因を確認します。そして次に統計的な手法であきらかになったその原因のばらつきを小さくするための方法と計測方法を立案します。ここでようやく「HOW」を議論できます。

 

改良された業務フローの設計

ここで、バリューストリームマップを活用します。今のバリューストリームマップは現状のマップです。これに対して、プロジェクトチーム全員で「あるべき理想的な」マップを作成してみます。

これは今までに行ったアウトプットを俯瞰すると自然に浮かび上がってきます。そして現状のマップとあるべきマップを比較してみます。

あるべきマップにシステムを再構築してみると、それが実際にできるかということが問題になるかと思います。製造設備にしても、業務システムにしても変更に莫大な費用が発生する場合もあります。

そこで「実現可能な移行マップ」というものを作成します。そしてそのマップを元に業務プロセスを設計します。これはバリューストリームマップを作ることで対応可能です。

 

新しい業務フローへの移行計画立案書を作成する

次に新しい業務マップに移行するための作業手順をリストアップします。そしてその作業に必要な工程、人員、費用をリストアップします。

 

移行計画を実施する

上までのステップで作成した計画書立案所に沿って、計画を実行します。

計画は実行するだけでなく、常に数値測定を行い必要に応じて修正を加えます。従来はPDCA手法を使ってマネジメントしていましたが、近年ではOODAループというより高速で強力なマネジメント手法もあります。チームにフィットするのでしたらこうった方法も有効です。

 

まとめ

DMAICの4つ目のステップImprove(改良)についてご紹介しました。

 

DMEIC:ステップ3 Analysys(計測)

DMAICのステップ3 Analysys(分析)についてご紹介します。ここでは、プロセスの中で問題になっている部分が、どこに問題があるのかということを明らかにします。

前のステップで業務フローにひそむVital few Xを見つけ確定したら、次はVital few Xが潜んでいるプロセルの状況を以下のツールを使って分析します。

・工程能力の把握

・相関回帰分析

・サンプル集団と母集団の評価

・検定

・分散分析

基本的には統計的な手法をつかってVital few Xを数値で表現します。ですので、DMAICを自由に使いこなすためには統計に関する知識が必要です。上記のデータを入手すると、数値データに関して「ばらつき」に関する情報が入手できます。次のステップでこの「ばらつき」に対してどうアプローチするかという部分にリーンの手法を適用します。

リーンのムダ排除の導入

トヨタ生産方式では“ムラ、ムリ、ムダ”を徹底的に排除するというアプローチがなされています。その中で最優先で排除する必要があるのが「ムダ」です。リーンでは「ムダ」は英語になっており、更にそのムダの本質も「7つのムダ」として体系化されています。

 

Vital few Xのばらつきを定量的に評価する  ← シックスシグマ

ムダを徹底的に排除する  ← リーン

 

この二つの手法の融合が「リーンシックスシグマ」の本質です。この考えを融合してあぷろーすることができると、非常に大きな成果が得られることが主にアメリカで実証されています。

 

なぜなぜ分析で原因を特定

次に、上のアプローチでムダを排除していくのですが、ムダの根本原因を発見し、根絶しなければ永遠に無駄が発生し続けます。そのために強力なツールがなぜなぜ分析です。これはなぜを5回繰り返し真因にたどり着くという手法です。

特性要因図を使って真因にアプローチする方法もありますが、当社の実績上なぜなぜ分析の方が強力です。

 

問題点記述書をリバイス

 

上記の方法で問題の解決策や再発防止計画を議論できるように問題点記述書をリバイスします。そしてこれを見ながら「HOW(どうやって)」を議論します。これは次のImproveでの重要な作業です。

 

まとめ

DMAICの3つ目ステップAnalyse(分析)についてのご説明しました。

DMAIC :ステップ2 Measurement (計測)

リーンシグマプロジェクトのフレームワーク、DMAICのステップ2Measuremant(測定)についてご説明します。

 

ここで行いたいとは、対象とするプロセスの現在の状態を定量的に把握することです。基本的には数値で指標を評価します。、状況を数値的に把握することです。また、以前にも述べましたが、CTQの評価したい指標をyとします。これに対して入力をxとすると、

y=f(x)

の関係式であることを見出します。この変数xの中でyに最も影響を与える因子x(Vital few x)を見出すことがとても大切なので、状況を数値がする必要がある、というのはVital few xを見出さ中ればならないというDMAICの命題に沿っているからなのです。

ではどうやってVital few xを探すのか?ということについては、以下に示すものを作成します。

 

・プロセスフローダイアグラム

・プロセスマップ

・特性要因マトリックス

・FMEA

・Gage R&R

・プロセス能力算出

・ベンチマーキング

いずれも、統計的な手法を活用しています。ただすべてフレームワークとして開発されているので、そのフォーマットを活用すれば比較的短期間で作り方のコツを身に着けることができいます。

 

これらのフレームワークを作成することで、Vital few xはなんであるのか?ということにアプローチする。とういうことがこのMeasurementステップで行うことです。

 

まとめ

DMAICの第2ステップMeasuremnt(測定)フェーズについてご説明しました。各フレームワークについては、今後紹介記事を作成します。

 

次回は第3ステップAnalysys(解析)についてご紹介します。

 

 

DMAIC:ステップ1 Define(定義)

ステップ1  Define (定義)

まずDMAICのステップ1 Define について解説します。Define (定義)はプロジェクト開始時に行います。プロジェクトの内容を定義し、問題を明確化することです。この時、問題提起書、プロジェクト計画書を作成します。

まず、プロジェクトの内容を定義し、明確化します。5W1Hを意識するとよいとよくありますが、気を付けないといけないことは、

「How」はこの段階では考えない

ということです。当社では数多くのプロジェクトを支援してまいりましたが、プロジェクトの全体像を把握し、どこに問題が潜んでいるかを明確にする前に、「How」に注目してしまって対策を講じてしまうことがとても多くあります。経験が豊富な分野ではこれまでの経験で「How」は比較的思いつきやすく、決め打ちで方法を決めてしまうことがままあります。

ですので、事実ベースに基づいて問題点を明確にする作業をまず行うことが成功のための必須事項です。

 

まず5Wから

5Wに着目します。

Why:なぜこのプロジェクトを実行するのか

What:何をやるのか、目的、ゴールはなにか、達成基準はなにか

Who:誰がやるか、プロジェクトリーダー、メンバーは誰か

When:いつから開始するか、いつまでに完了させるか

ということをまずアウトプットして、関係者で事実を共有する、という作業に着手します。

 

プロジェクト定義に必要なインプット

まず対象とするプロジェクトの構築に必要なインプットを用意します。前の記事でご紹介しましたが、

・SIPOC分析

・バリューストリームマップ

・VOC

の3つです。上の二つは前の記事でご紹介しましたが、VOCについても今後の記事に追加しますが、対象としている製品・サービスについて「顧客は何を求めているのか」ということについてアンケート、市場調査、ベンチマーク調査などを行ったうえで、収集するVoice of customer(VOC)です。マーケティング部門を有していればその部門にメンバーに入ってもらいその情報を収集することです。

 

プロジェクト定義に必要なアウトプット

プロジェクトテーマ問題提起書

SIPOC分析、バリューストリームマップを俯瞰すると、抱えている問題の真因がどこに潜んでいるのか?なにを改善すればよいのか?ということをプロジェクトチームで議論します。ここで、明確になった問題はなにか?痛みはどこか?そしてその問題の解決目標を定義します。目標は定量的である必要があります。そしてその問題をいつまでに解決するのかを定義します。

大切にしてほしいのは、この問題定義書をプロジェクトマネージャ一人で抱え込まということです。一人に任せてしまうことが多いのですが、この時、プロジェクト責任者(チャンピオン)、プロジェクトメンバー、本社戦略部門など、このプロジェクトに参画するメンバーで共有して、何回もブラッシュアップする必要があります。

 

VOCからのCTQのドリルダウン

インプットとして収集したVOCからCTQ ( Quality To Customer)を定義します。リーンシックスシグマの重要な定義でも、「顧客が必要としていないもの」に関する事柄はムダである、があります。ここではこのプロジェクトにおいて、もっとも大切な品質とは何か?ということを定義します。

 

プロジェクト計画書

上の二つを作成したうえで、このプロジェクトの計画を立案します。5Wを織り込んで契約書を作成します。計画書のフォーマットはガントチャートが一般的ですが、TOC(制約条件理論)なのではCCPMなどのツールも活用されています。

 

まとめ

DMAICの第一ステップD Define (定義)についてご紹介しました。

次は第二ステップの M Measurement (計測)についてご説明します。

 

DMAICの概要

DMAICとは

 

DMAICとは、リーンシックスシグマ業務改善プロジェクトを実施する手法です。5段階の手順で構成されています。Define(定義)、Measure(計測)、Analyze(分析)、Improve(改善)、Control(管理)の頭文字をとったものです。それぞれのステップで行うべきこと、そのために必要なツールが用意されています。DMAICはシックスシグマから来たもので、目的はシステムのばらつきを小さくすることです。具体的には不良率を100万分の5.6以下にする、ほとんど不具合が出なくなるというくらいパワフルなツールです。このツールを駆使しGEは飛躍的な業績の改善を達成しました。

DMAICはリーンシックスシグマプロジェクトを行うフレームワークなので、プロジェクトが終わるとDMAICも完結します。

 

DMAICの各ステップのご紹介

 Define Phase:「定義」

 

DはDefineの略で「定義する」です。これから始めるプロジェクトの内容を明確にします。プロジェクト実施に当たり背景、目的、目標、プロジェクトメンバーといったプロジェクトを行うために必要な情報を洗い出します。ここで、重要なアウトプットとして「問題定義書」を作成します。すでに作ったバリューストリームマップ、SIPOC分析を見ながら、プロセスの中のどの問題をつぶすのか?そして今、問題がつぶせないために生じている痛みはなにか?そしてどれくらいその問題を解決するか、ということを数値化します。この作業はとても大切な作業です。見誤るとプロジェクトそのものが好ましくない方向に行ってしまうため、関係者でレビューを行う必要があります。

 

Measure Phase:「測定」

 次のステップはMeasure「測定」です。ここでは、プロセスの中のなにをつぶすのかを決めたうえで、その指標を計測します。指標は計測可能な数値項目を選ぶ必要があります。また、その時にどうやって測定するも決める必要があります。また、測定の確からしさも大切です。数値のばらつきより測定の確からしさが小さいと、正しく測定することができないという問題が生じます。

 

Analyze Phase:「分析」

 

3番目のステップのAはAnalyze「分析」です。ここで対象とするプロセスの状態を分析します。必要な分析ツールを使って問題となっているプロセスのどの項目を分析します。基本的には入力Xに対して出力Yというものを仮定するので、入力Xの中で出力Yに影響を与えているX (Vital few X)を見出します。次に見出したVital few Xがなぜ起こるのか?という根本原因をなぜなぜ分析と特性要因図を作って掘り下げます。なぜなぜ分析はリーン由来なので、ここではリーンとシックスシグマを組みあわせた分析になります。

 

Improve Phase:「改善」

 

四つ目のIはImproveの「改善」です。現状を把握し、その中の問題を「ばらつきを小さくする」ことで排除し、そのうえで、「あるべきプロセス」を構築します。「現状のプロセス」と「あるべきプロセスを比較し」問題解決的アプローチによって、「現状のプロセス」から「あるべきプロセス」への移行計画をたてます。 そしてシックスシグマのツールを活用しながら問題を解決していきます。

Control Phase:「管理」

 

そして最後のc、Controlすなわち「管理」します。日本語が適切かという異論ありますが、管理としています。上記の4つのアプローチで「あるべきプロセス」を作っても、そのままにしておいてはすぐ逆戻りしてしまうことがあります。そういったことの内容に、管理していきます。ここでは作業手順書などのツールを駆使します。

 

まとめ

 

以上がDMAICの一連の流れでした。この後は、各プロセスについて詳細を掘り下げていきます。 

 

 

バリューストリームマップを作成する

前回の記事でSIPOC分析をご紹介しました。これによって業務プロセスのフローを把握することができます。次に、このSIPOC分析結果をもとに、バリューストリームマップを作成しましょう。バリューストリームマップの起源はトヨタ生産方式のツールの「物と情報の流れ図」です。

 

業務プロセス改善の流れ

業務プロセス改善の流れとして、まず現状把握マップを作成します。次にこのマップから「7つのムダ」を徹底的に排除するために「稲妻アイコン」を使ってムダを明記します。これを使って「将来のマップ」を作成します。そしてここがリーンシックスシグマならではのテクニックですが、ムダの要因がシステムのばらつきに起因するものであればDMAIC手法を使ってばらつきを最小限にすることによってそのムダを排除します。また、稲妻マップで表記されているムダが多すぎてどこから手を付けてよいかわからない、とか要因同士に依存関係があるという状況が複雑に絡み合っている場合は、TOC(制約条件理論)を適用して課題の優先順位を決めていきます。

 まずは「現状のマップ」を作成します。下図は前の記事で作成したシステム開発業務プロセスのSIPOC分析をもとに作成した、現状のバリューストリームマップです。

 マップではそれぞれアイコンが決まっています。顧客は工場のアイコンです。そしてテキストボックスが二つ重なっているのがプロセスのアイコンです。また、テキストボックス一つのものは部門のアイコンです。そしてモノの流れは青色の矢印、情報の流れは赤色の矢印です。ここではソフトウェアの開発を例にしていますが、プログラムも情報なのですが、製品として制作しているモジュールはここではモノと定義します。

 

全てのプロセスステップをマップに書き出す。

 

最初に全プロセスステップのアイコンをすべて作成します。上のテキストボックスに部署名を、下のテキストボックスに業務内容を書込みます。以下のようなマップが出来上がります。

 

 リーンでは、第一ステップをまず左隅に置き、そこから反時計回りにステップを配置していく、というのが習慣です。いろいろな文献に合わせるようにすると比較するのが楽です。

 

 

物と情報の流れアイコンをつなぐ 

SIPOC分析の各ステップの前後に相当するアイコンを追加します。前工程がサプライヤで、後工程がお客様です。それがない場合はアイコンを追加します。

 

モノの流れは青色の矢印、情報の流れは赤色の矢印です、この矢印を使って各ステップをつないでいきます。この場合、モノと情報の流れが一致しない場合があります。下の図が矢印でつながり、モノと情報の流れが整理された現状のマップです。 

 

 7つのムダを記入する

次に現状のマップを見ながらその中に7つのムダが潜んでいないかしらべます。7つのムダとは

(1)加工のムダ
(2)在庫のムダ
(3)造りすぎのムダ
(4)手待ちのムダ
(5)動作のムダ
(6)運搬のムダ
(7)不良・手直しのムダ

 です。今回のマップはソフトウェアの作成なので、加工のムダ、在庫のムダ、造りすぎのムダ、動作のムダ、運搬のムダなどは最初からありませんが、製造業のマップでは必ずはいってきます。以下がムダを稲妻アイコンで記入したマップです。

 

 以上でバリューストリームマップの出来上がりです

 

まとめ

 

バリューストリームマップ作成の全体の流れは以下の通りです。

・SIPOC分析をする。

・全てのプロセスステップをマップに落とし込む

物と情報の流れ矢印でつなぐ

7つのムダ稲妻アイコンを追加する。

 

次回以降は、このマップを活用して問題をつぶしていきます。いよいよリーンシックスシグマの活動が本格的に始まりますよ!!

SIPOC分析について

業務プロセスの改善については、まずそのプロセスの概要を把握することから始めます。リーンシックスシグマ(以下LSS)ではこのプロセスの概要把握のために強力なツールが用意されています。

それはSIPOC分析とバリューストリームマップ(VSM)です。この二つのツールのメリットは業務プロセス全体を適切な粒度で把握できるということです。 

 

SIPOC分析

SIPOC分析は日本への導入がまだ進んでいませんが、非常に強力です。業務プロセスの各ステップへ入力される物と情報、それに対して出力される物と情報を整理することができます。大切なことはこのSIPOC分析を業務プロセスにかかわるすべての人たちで行うことです。それによってヌケモレを防ぐとともに、ありがちな部門間にまたがっていてなかなか解決できない問題も見えることができます。

SIPOCはSupplier(供給者)、Input(入力)、Process(プロセス)、Output(出力)、Customer(顧客)の頭文字をとった略語です。プロセス各にどこから、どういった物や情報が入力されるのか、どうやって処理されて。どんな出力がなされ、どこに行くのを把握することができます。

 

SIPOC分析の手順

 それではSIPOC分析の手順をご説明します。エクセルのテンプレートを用意しましたのでこちらを参照してください。

ステップの分解・抽出

 分析する業務プロセスを分解・抽出します。ここで気を付けていただきたいのは分解するプロセスを5-8個程度までに収めてください。これ以上ステップ数が大きくなると情報が細かくなってしまい、全体を把握するのがむつかしくなります。

時系列順にステップを書き出してください。

 

 

各プロセスの情報入力

次に各ステップごとのS(供給者)、I(インプット)、P(プロセス)、O(出力)、C(顧客)の欄を埋めていきます。ここで気を付けていただきたいのは、供給者と顧客です。供給者とはいわゆる物品の納入業者ではなく、モノや情報を入力する担当者、部門です。ですので、社内の他部署だったり、お客様だったりします。また顧客も同様にお客様というわけではなく、社内の次工程の部署であったりします。これはトヨタ式生産方式でいうところの「次工程はお客様」というキーワードに一致します。

 

 

検証

作成したSIPOC分析表が正しいのか、抜け漏れがないのかを複数の目でチェックしましょう。部門内、または部門間で検証しましょう。これを行うことのメリットとして、ほかの人、ほかの部門を活動に巻き込むということが可能になります。

 

まとめ

以上がSIPOC分析の流れです。次はこの分析結果をもとにして作成するバリューストリームマップについてご説明します。

リーンシックスシグマの進め方

 

 

「リーンシックスシグマって、どこに使えるのですか?」という質問をたくさんいただきます。答えはとてもシンプルです「業務プロセスの改善」「新しい業務プロセスの作成」です。

 

リーンシックスシグマの流れ

ではどのように業務プロセスを改善していくのか?いうことについて、フローをご紹介します。

 

対象とするプロセスの選定

チームあるいは会社全体で、改善すべき業務プロセスを複数ピックアップします。この時、ふたつの指標を用いて、選定した業務プロセスを分類するといいでしょう。一つは「達成の容易さ」「達成して得られる効果」です。この指標を使って表を作成します。

そうすると、ピックアップしたプロセスが四つの枠に入ります。この中から、チーム全体としてどこに手を付ければよいのかということが「視える化」することができます。

(1)達成が容易で、得られる効果が大きい

(2)達成するのが困難だが、得られる効果は大きい

(3)達成するのが容易だが、得られる効果は小さい

(4)達成するのが困難で、得られる効果は小さい

4つに分類された中から(1)、(2)の順に手を付けるのが定石です。ただ、2は問題をさらに分解して、違うアプローチで行うことをお勧めします。

この順番で実行すべきプロジェクトを選定します。

 

SIPOC分析、VSM分析

ここから実際に業務プロセスの改善を始めますが、まずはプロセスを俯瞰するためにSIPOC分析、VMS分析を行います。

詳細はこのあとの連載記事でご説明しますが、この分析を行うことで、対象プロセスを図式化することができます。VSMはオリジナルはトヨタのものと情報の流れ図です。これはとても細かく工程や動作ごとのアイコンが規定されていますが、リーンシックスシグマではシンプルになったものを使います。この二つを作成することで、業務プロセスを程よい粒度で俯瞰することができます。

 

CTQ(重要品質特性)を確定する

リーンシックスシグマで一番大切なことは「顧客の求めるものを最も効率よい方法で作る」ということです。ですので、まず一番大切なことは「顧客は何を求めているか」ということを可能な限り把握することです。業務プロセスの良し悪しを決めるのに測定可能で一番大切な数値項目を決めます。は何かを定めます。CTQ (Critical To Quality)重要品質特性と言います。

 

As is からTo beへ理想の業務プロセスを図式化し、移行する

上記の流れでその定めた測定項目が最善になる理想のプロセスを図式化します。まず現状のプロセス(As is )と理想の図(To be)を並べてみることでどこにギャップがあるかを可視化します。このギャップを埋めるためにDMAIC手法を活用して課題をつぶしていきます。そしてプロセスを移行し業務プロセスのリーダー引き渡します。このあと継続的に効果を観測します。

 

以上がリーンシックスシグマの進め方の概要です。次回以降の連載では各ステップの進め方をご説明します。

リーンシックスシグマとは

アメリカで広く普及しているリーンシックスシグマという改善手法。日本にはまだあまり知られていない手法です。とくにアメリカでは製造業でなくサービス業に広く浸透し品質向上に役立っています。

 

リーンシックスシグマとは

リーンとシックスシグマという二つの手法が融合したものなのです。まずはリーンとシックスシグマがなにか?ということについてご説明します。

 

シックスシグマ

1980年代にアメリカの携帯電話会社のモトローラが開発した製品の生産管理手法です。日本では東芝やソニーが導入しました。最近ではリクシルが導入しているそうです。 「シックスシグマ」は統計学の用語σ(シグマ)を使ったもので、一言でいうと製品の不良率を100万分の3.4以下にするという意味です。これはすごいインパクトです、100万個作る商品の不良品が3.4個以下ということですから。具体的な手法としては全ての工程で生産するものや作業のバラツキを無くすことを大切にしています。モトローラ社が導入した当初はそれほど話題になりませんでしたが、GEのCEOで知られるジャック・ウェルチ氏がCEOに就任してからシックスシグマを本格的に導入しました。社内に資格制度を作り、管理職になるための必須条件として資格保有を打ち出すなど、徹底して導入しました。その甲斐もあって、GEは90年代に世界ナンバーワンとなりました。輝かしいGEの成功を見て多くの大企業がこぞってシックスシグマを導入しました。私もだいぶん後になってブラックベルトとなりました。

 

 リーンとは

 90年代のアメリカでは日本製品が市場を席巻していました。特に自動車の分野ではその躍進が際立っていました。その躍進ぶりを見ていたGEは徹底的に日本企業を研究しました。そして、トヨタが「トヨタ式生産手法」というものを徹底的に導入して、強い競争力を持つ自動車を製造していることをつきとめたのです。トヨタ生産方式は徹底的に無駄をなくすことで競争力を高めました。そこで、英語で無駄のないという「Lean(リーン)」から、トヨタ式生産手法=リーンと名づけました。

 

トヨタ式を取り入れたGEがリーンシックスシグマに昇華させた

徹底的にムダを排除するリーンと、バラツキを極限まで小さくするシックスシグマが融合されて、そして大きな相乗効果が生まれて、全く新しい品質管理、工程管理手法リーンシックスシグマが生まれたのです。意図されたものかどうかはわかりませんが、リーンシックスシグマ手法に関する情報はほとんどアメリカから入ってきません。私もシックスシグマはブラックベルトなので熟知していますが、「リーンシックスシグマというものがアメリカで浸透しているらしい」くらいの情報しかなく、その全貌をようやく把握して、ぜひ日本への普及をお手伝いしたいと思っている次第です。次回以降、リーンシックスシグマの全貌が垣間見えるような連載記事を作成してまいります。

 

キーワードは

VSM(バリューストリームマップ)

SIPOC(サイポック分析)

DMAIC(ディーマイク)

です。

 

「リーンシックスシグマってなにか聞きたいんだけど」

「当社でもぜひ導入してみたいんだけど」

というご要望がございましたらお気軽にお問い合わせください。