「リーンシックスシグマって、どこに使えるのですか?」という質問をたくさんいただきます。答えはとてもシンプルです「業務プロセスの改善」「新しい業務プロセスの作成」です。
リーンシックスシグマの流れ
ではどのように業務プロセスを改善していくのか?いうことについて、フローをご紹介します。
対象とするプロセスの選定
チームあるいは会社全体で、改善すべき業務プロセスを複数ピックアップします。この時、ふたつの指標を用いて、選定した業務プロセスを分類するといいでしょう。一つは「達成の容易さ」「達成して得られる効果」です。この指標を使って表を作成します。
そうすると、ピックアップしたプロセスが四つの枠に入ります。この中から、チーム全体としてどこに手を付ければよいのかということが「視える化」することができます。
(1)達成が容易で、得られる効果が大きい
(2)達成するのが困難だが、得られる効果は大きい
(3)達成するのが容易だが、得られる効果は小さい
(4)達成するのが困難で、得られる効果は小さい
4つに分類された中から(1)、(2)の順に手を付けるのが定石です。ただ、2は問題をさらに分解して、違うアプローチで行うことをお勧めします。
この順番で実行すべきプロジェクトを選定します。
SIPOC分析、VSM分析
ここから実際に業務プロセスの改善を始めますが、まずはプロセスを俯瞰するためにSIPOC分析、VMS分析を行います。
詳細はこのあとの連載記事でご説明しますが、この分析を行うことで、対象プロセスを図式化することができます。VSMはオリジナルはトヨタのものと情報の流れ図です。これはとても細かく工程や動作ごとのアイコンが規定されていますが、リーンシックスシグマではシンプルになったものを使います。この二つを作成することで、業務プロセスを程よい粒度で俯瞰することができます。
CTQ(重要品質特性)を確定する
リーンシックスシグマで一番大切なことは「顧客の求めるものを最も効率よい方法で作る」ということです。ですので、まず一番大切なことは「顧客は何を求めているか」ということを可能な限り把握することです。業務プロセスの良し悪しを決めるのに測定可能で一番大切な数値項目を決めます。は何かを定めます。CTQ (Critical To Quality)重要品質特性と言います。
As is からTo beへ理想の業務プロセスを図式化し、移行する
上記の流れでその定めた測定項目が最善になる理想のプロセスを図式化します。まず現状のプロセス(As is )と理想の図(To be)を並べてみることでどこにギャップがあるかを可視化します。このギャップを埋めるためにDMAIC手法を活用して課題をつぶしていきます。そしてプロセスを移行し業務プロセスのリーダー引き渡します。このあと継続的に効果を観測します。
以上がリーンシックスシグマの進め方の概要です。次回以降の連載では各ステップの進め方をご説明します。