みなさんこんにちはALEXです。
今回は、コンサルタントを目指している方を目指している方にぜひ読んでいただきたい書籍をご紹介したいと思います。
謙虚なコンサルティング――クライアントにとって「本当の支援」とは何か
エドガー・H・シャイン著
英治出版刊行 \2000
シャイン氏は著者紹介によると、MITスローン経営大学院名誉教授の職につかれ、これまでアップル、P&G、HPなどの有力企業の支援を手掛けられた方である。我々コンサルタントのお手本のような方、とても言えばいいでしょうか?
当社でも、主にITテクノロジの支援導入を主業務としていることもあり、この書籍をコンサルティング業務につく人間に熟読を促している。この本を書かれていることを熟知し、まさに無意識レベルでクライアントの支援に迎える人間は、当社だけでなくどこへいっても通用する優れたコンサルタントとして第一線で活躍できると思う。
エッセンスをご紹介しましょう。
「本当の支援とはどんなものか」
クライアントがコンサルタントの手助けによって、
(1)問題の複雑さと厄介さを理解し
(2)その場しのぎの対応や反射的な行動をやめて
(3)本当の現実に対応すること
が本当の支援なのである。
いかがでしょう?私も、耳が痛いです。今までどれだけ(1)(2)(3)の否定文の行動をよってきたことでしょうか。これらの行動はむつかしいことではないのですが、きちんと実行しようとするとなかなか厄介なことになるので無意識のうちに否定的な行動をとってしまうようです。
ですので、上の3か条は常に意識できるように、ノートに書きだしておくとか、
オフィスに貼っておくとかして、常に意識するように心がけるべきではないでしょうか?
「レベル2の関係の必要性」
コンサルタントはクライアントとレベル2の関係を構築することが適切な支援を行うために必須としている。レベル2の関係って?それではかいつまんでレべル1から3までご紹介しよう。
レベル1:認め合うこと、礼儀、取引や専門職としての役割に基づく関係
個人的な知り合いというわけではないが、たがいを同じ人間として扱う。また、相手が自分に害を与えないことをある程度信頼でき、礼儀をわきまえたレベルで率直に会話することができる。
うーん、レベル1で十分ではないかという意見もあるかと思う。ではレベル2
レベル2:固有の存在として認知する
このタイプでは次の3点において、通常より深い信頼や率直さが示される。
(1)交わした約束を必ず守る
(2)相手を傷つけたり、相手が努力を傾けていることをけなしたりしないと合意する。
(3)うそをついたり、仕事の関する情報をかくしたりしないと合意する。
レベル3:深い友情、愛情、親密さ
強くポジティブな感情を伴う関係
いかがでしょう?レベル2は、単に関係が近いだけでなく、相互が信頼するに足る人格を有していることが求められているのではないでしょうか?
コンサルタントに求められるものは、知識ではなく、まずは人格なのですね。
ちなみにレベル3はコンサルタントとして支援知る場合は不適切であるとされています。これはわかりますね。あまりに対象者に近くなるために、正確な判断を下しにくくなる可能性があります。
最後に
「謙虚なコンサルティングの姿勢」
ここではじめて「謙虚」というフレーズが出てきました。このフレーズはあまり本書の中で開設されていません、原著ではhumbleというワードが使われています。訳者によって「謙虚」が充てられていますが、「簡素」「質素」という意もあります。
ここでは三つのCが必要であるとされています。
(1)力になりたいという積極的な気持ち(commitment)
(2)クライアントに対する思いやり(caring)
(3)好奇心(curiosity)
私は、この書から上の三つの重要性を読み取りました。自分自身、コンサルティングをおこなう際にしっかりできているか?と自問すると、なかなかきびしいものだと感じています。
単に知識だけでなく、プレゼンの上手さだけでなく、人間のベースというか、そういったものが優れたコンサルタントには備わっているべきだ。と感じる次第です。
ありがとうございました。
ALEX